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ジャンル:

保育の理論・研究

保育の中の子どもの声

自分の声を聴きとられる心地よさ 多様な声を響き合わせるおもしろさ

著・編: 加藤繁美

違いがあるからおもしろい
違う自分が誇らしい

  • シリーズ

    希望の保育実践論
  • 発行日

    2023年10月

  • ISBN

    978-4-89464-300-0

  • 判型

    A5判

  • ページ数

    192ページ

  • 定価

    1,980円(本体1,800円+税)

内容

大好評たちまち増刷!

困難さが増すなかで、それでも保育の力を実感し、その豊かな可能性に希望を託し、時代を拓く対話的保育の実践を探り続ける保育者たちに贈る、著者渾身のメッセージ! シリーズ一冊目は、子どもの権利条約の時代に求められる「子ども観」と、新たな「保育者―子ども関係論」の提案です。私たちが未だ経験したことのない、多様性の時代の集団保育をいかにして創造するか? 保育の中の「子どもの声」を鍵概念として読み解いていきます。

目次

シリーズ「希望の保育実践論」をお届けします
はじめに
第1章 自分の声を聴きとられる権利 子どもの声を聴きとる責任――子どもの声に耳を傾ける意味
 1 保育における「子どもの声」
 2 保育者が「子どもの声」に耳を傾ける意味
 3 子どもの声は七転八倒する実践とともに
 4 関係創造的実践として展開される保育の営み
 5 子どもの声に耳を傾けるというけれど
 6 共感的応答関係のつくり方
  1)とりあえず共感の習慣
  2)適切な時間稼ぎ
 7 対等性・事実主義・葛藤原理
 8 自由を求める保育実践
第2章 声を持つ自由 発達する自由 協同する自由――子どもの権利条約時代の子どもの声
 1 子どもは意味をつくる主体
  1)意味生成の知的能動性と知的創造性
  2)意味生成の個別性・協同性
 2 リスニングの保育実践論
 3 背後で広がる子どもを権利主体と考える思想
 4 「リスニングの保育」のジレンマ
  1)対等な市民としての子どもプロジェクト
  2)食事も活動も強制されない
 5 精神的自由と発達的自由
 6 教授優先型保育実践と放任型保育実践の間
 7 保育における迎合的関係と共感的関係
 8 声を持つ自由、発達する自由、協同する自由
第3章 リスニングと関係性の保育実践論――対話の時代の子どもの声
 1 リスニングに反映される権力性
 2 自分の声が社会を変える
 3 開かれた話し合い・閉じられた話し合い
 4 未完成だから希望が持てる
 5 共感的・結論保留的・問い生成的関係
 6 脱力する関係は対話の必要条件
 7 「対話する主体」として育ち合う四歳児たち
 8 リスニングは「関係の網の目」の中で
第4章 逸脱と参画の保育実践――多様性の時代の子どもの声
 1 多様性の時代の保育実践
 2 保育の中の「逸脱児」たち
 3 「はみだしっ子」から学べ
 4 「意味」と「記号」との不思議なつながり
 5 「逸脱」を仲間との関係に位置づけて
 6 「発達の物語」は関係性と時間軸の中に
  1)ダイキくん、天気予報コーナーのキャスターになる
  2)お天気コーナーにイノシシ情報加わる
  3)お天気情報、進化する
 7 違いがあるからおもしろい 違う自分が誇らしい
 8 逸脱と参画の保育実践
次刊に向けて

著者の略歴

加藤繁美(かとう しげみ)
1954年、広島県生まれ。名古屋大学大学院教育学研究科博士前期課程修了。保育・幼児教育制度、保育実践の理論的・構造的研究に取り組む。博士後期課程在学中に山梨大学教育学部に着任、以降2018年まで在職、現在山梨大学名誉教授。2018~2022年、東京家政大学子ども学部教授。おもな著書に『子どもの自分づくりと保育の構造』(ひとなる書房、1997年)、『しあわせのものさし』(同、1999年)、『対話的保育カリキュラム〈上・下〉』(同、2007年・2008年、日本保育学会保育学文献賞受賞)、『記録を書く人 書けない人――楽しく書けて保育が変わるシナリオ型記録』(同、2014年)『子どもとつくる保育年齢別シリーズ(0~5歳児保育)』(監修、同、2011~2016年)、『保育・幼児教育の戦後改革』(同、2021年)他多数。

読者からの声

「ちがいをおもしろがるとは、どういうことなのか」「自由とは何なのか」「子どもとつくりだしたい意味は、真実は、何なのか」「今、どのようなつながりが大切なのか」…本からの様々な問いを、仲間とこの本を通して、実践を語り合いながら考え合っていくことが”仲間とのスタートにもなる”と感じました。


タイトルもステキですが、本の表紙に記されている「自分の声を聴きとられる心地よさ 多様な声を響き合わせるおもしろさ」の文に、子どもの思いと同時にこれは保育の醍醐味でもあると感じて、本文を読むことに期待が高まりました。


本書とこのシリーズは、きっと私たち保育者にとっての「希望」の“道しるべ”となるように思っています。次巻がとっても楽しみです♪

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