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ジャンル:

子ども理解

5歳児の協同的学びと対話的保育

年齢別保育研究

一人ひとりの「心地よい
背伸び」にこだわる保育

  • 発行日

    2005年8月

  • ISBN

    978-4-89464-087-0

  • 判型

    A5判

  • ページ数

    216ページ

  • 定価

    1980円(本体1800円+税)

内容

全国的に指摘されている年長保育の困難にこたえる試みとして、子ども自身の「必要性」から活動を出発・発展させ、子どもの「心地よい背伸び」を保障することにこだわった5歳児クラスの一年をとりあげ、幼児後期の「協同的学び・対話的保育」の理論と実践を明らかにする。

目次

はじめに
第1章 5歳児の取り組んだ新潟中越地震支援プロジェクト
   1 公開保育は、ギンナンの袋詰め
   2 やよいとさゆりが持ってきた新聞の切り抜き記事をきっかけに
   3 ギンナンを拾ってお金を送ろう
   4 新潟で地震さえなければ拾わなくてもよかったのに
   5 ギンナンを売ったお金で、ポップコーン用のトウモロコシを買う
第2章 対話的関係の中で創りだされた幼児後期の協同的な学び
   1 対話的関係を基礎に展開された5歳児保育
   2 「必然性」と「必要性」にこだわって取り組んだウサギの当番活動
   3 ウサギ当番はじゃんけんで
   4 海賊の小屋をつくろう
   5 ぼくもなりたい! 虫博士
   6 カッパと出会った子どもたち
第3章 「誘導」と「対話」と「袋小路に追い込む話し合い」と(保育者の願いが先行して開始された「池再生プロジェクト」
   1 保育者の願いが先行して開始された「池再生プロジェクト」
   2 池の存在に気づかせ、つくり直す「必要性」を自覚させる取り組み
   3 ならさ、つくり直せばいいんだよ
   4 池再生のための作業を開始する
   5 池再生に向けて、再び思いをふくらませる
   6 カッパの願いに応えて、池の周囲にドングリを植える
   7 カッパを怖がる子どもたち、小川芋銭の絵に出会う
   8 子どもたち、池に橋を架ける
   9 「対話的関係」と「袋小路に追い込む話し合い」との間
   10 幼児後期の子どもの発達における「学び」と「遊び」の関係
   11 幼児期の「学び」における「生活的概念」と「科学的概念」
   12 幼児の「学びの多様性」と保育者の指導の多様性
   13 幼児の「協同的学び」における「個」と「集団」の関係
第4章 活動を支える保育者の学び(保育の背景としての保育者
   1 保育の背景としての保育者
   2 保育への疑問に向きあい続ける
   3 保育者間で話し合うこと
   4 要求のことばを聞くために――「待つ」こと
   5 聞き、語ることの意味
   6 要求のことばを聞くために――実践記録をとること
   7 保育者の学びと知的興奮
   8 真剣なおとなたち
   9 翌年度の課題
おわりに

著者の略歴

加藤繁美(かとう しげみ)
1954年、広島県生まれ。名古屋大学大学院教育学研究科博士前期課程修了。大学院では教育行政及び制度研究室に所属し、保育・幼児教育制度に関する研究を展開するとともに、保育実践の理論的・構造的研究に取り組む。博士後期課程在学中に山梨大学教育学部講師として着任。同大学助教授、教授を経て、2018年退職。山梨大学名誉教授。2018年より東京家政大学子ども学部教授。おもな著書に、『子どもの自分づくりと保育の構造』(ひとなる書房、1997年)、『子どもへの責任』(ひとなる書房、2004年)、『保育者の現在』(共著、ミネルヴァ書房、2007年)、『対話的保育カリキュラム〈上・下〉』(ひとなる書房、2007・2008年、2010年日本保育学会保育学文献賞受賞)、『子どもとつくる保育年齢別シリーズ(0~5歳児保育)』(監修、ひとなる書房、2011~2016年)他多数。

秋山麻実(あきやままみ)
1970年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。山梨大学教育人間科学部助教授。

茨城大学教育学部附属幼稚園(いばらきだいがくきょういくがくぶ ふぞくようちえん)
茨城県水戸市三の丸に所在する茨城大学教育学部に附属する幼稚園

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