思考の文化 - 歴史的理論批判
「本書は、アンドレイ・ヴラジーミロヴィチ・ブルシュリーンスキー著『思考の文化――歴史的理論』(原題、1968年)の翻訳である。その内容はいわゆるヴィゴーツキーの『文化―歴史的理論』の解説ではなく、批判的な検討である。……本書でなされているブルシュリーンスキーのヴィゴーツキー批判は多くの論点にわたり、多様な観点からおこなわれているが、それらに貫かれた一貫した観点は『内部的なものと外部的なもの』の関係をどのようにとらえるのか、ということにあるように思われる。すなわち、彼は、ヴィゴーツキーの理論においてはこの両者の関係が、結局のところ二元論をまぬがれていないという点でヴィゴーツキーを批判するのである。ブルシュリーンスキーのこの見地は、ヴィゴーツキー理論を構成する個々の重要な論点のすべてに貫かれていると見てよいと思われる。……」(「訳者あとがき」より)
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