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保育の理論・研究

対話する保育のつくり方

もう少し子どもたちを信じてみませんか もう少し子どもたちに任せてみませんか(希望の保育実践論Ⅱカリキュラム編)

著・編: 加藤繁美

希望の保育実践論
カリキュラム編ついに刊行!

  • シリーズ

    希望の保育実践論
  • 発行日

    2025年11月初旬

  • ISBN

    978-4-89464-316-1

  • 判型

    A5判

  • ページ数

    208ページ

  • 定価

    2,200円(本体2,000円+税)

内容

本シリーズⅠ『保育の中の子どもの声』では保育における子どもの位置を問い直し、子どもを「人間」として尊重し、「市民」として位置づける新しい保育実践の創造を提案しました。続編となる本書は、保育カリキュラムに焦点をあてて、具体的に実践を創造する際に必要になる視点と道筋を論じます。カギは、子どもたちを信じるレベルを少し上げてみる、子どもたちに任せる範囲を少し広げてみることです。すると相互の関わりの中で、自ら育ち合う子どもたちの姿に出会うことが、きっとできるようになるはずです。

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目次

第1章 自分らしさは市民として尊重される生活の中で
第2章 対話する保育実践はプロジェクトとともに
第3章 時代の中の子ども性と保育の役割
第4章 対話する保育カリキュラムのつくり方

目次全文

シリーズ「希望の保育実践論」をお届けします
はじめに

第1章 自分らしさは市民として尊重される生活の中で
1 保育における〈非対称的関係〉を問い直す
 1)子どもと保育者の「対等」な関係は可能か
 2)課題としての「非対称的関係」
 3)目指すべきは子ども同士の「対等」で「対話的」な関係
2 自分たちのことを自分たちで決める子どもの権利
 1)四歳児クラスで展開されたトマトジュース論争
 2)子どもの声には、いつも正当な意味がある
 3)揺れながら、自分の考えに「訂正」を加える子どもたち
3 対話とは自らの考えを訂正し合うこと
4 自己性と市民性は車の両輪のように
5 二歳児だって「対話する主体」に育っていく

第2章 対話する保育実践はプロジェクトとともに
1 農繁期託児所の実践から
2 幼児生活団のプロジェクト実践
3 プロジェクト実践への誘い
4 チームオリオン「二十一福神」への道
 1)クリスマス会に「七福神」をやりたい
 2)もっと上手に踊れるようになりたいな
 3)見ている人を笑顔にさせたい
 4)くやしさを抱きしめて
 5)二人の師匠と出会って
 6)自信と誇りの二十一福神
 7)すべての人に感謝を込めて
5 過程を大切にするプロジェクト実践
 1)プロジェクトは子どもに対する信頼から
 2)願いは磁場のように広がって
 3)「教育性」の排除はプロジェクト実践の必要条件
 4)プロジェクトをめぐる「活動概念」と「実践概念」
 5)プロジェクト実践への挑戦

第3章 時代の中の子ども性と保育の役割
1 「泣き声」も「だだこね」も「市民」の声
2 幼児期を特徴づける「混同心性」と「子ども性」
3 「死んだごっこ」のジレンマ
4 課題としての「子ども性」
5 「子ども性」を保育カリキュラムの前面に位置づける
6 「子ども性」は三種類の「おもしろさ」にけん引されて

第4章 対話する保育カリキュラムのつくり方
1 乳児の保育は「おもしろさ」と「心地よさ」を基礎に
 1)三つの「おもしろさ」に対応して組織される三つの生活
 2)興味・関心を基礎に広がる「探索する生活」
 3)情動要求の発達で広がる「共感する生活」
 4)三項関係へと誘う生活
 5)心地よい身体性へと誘う生活
 6)心地よさ・おもしろさの発達と乳児期の保育の構造
2 幼児期における「おもしろさ」の発達と保育の構造
 1)幼児期の発達を決定づける「想像するおもしろさ」
 2)「探究するおもしろさ」は「環境と対話する生活」の中で
 3)「物語を共有するおもしろさ」は「文化と対話する生活」の中で
 4)仲間と価値をつくりだすおもしろさは「協同する生活」の中で
 5)子どもたちの自治的能力が問われる「基盤となる生活」
3 「対話する主体」形成の課題と保育の構造
4 子どもの声と対話的関係に基礎を置くカリキュラム
 1)トラブルを起点に発展した「鬼ごっこ改善プロジェクト」
 2)計画より記録に意味を見出すカリキュラム
 3)五つの生活のカリキュラム表
5 生成するカリキュラムのために
 1)生成するカリキュラム
 2)三歳児クラスではじまった「うそっこトイレプロジェクト」
 3)「すき間プロジェクト」と「風穴プロジェクト」への誘い

次刊に向けて

著者の略歴

加藤繁美(かとうしげみ)
1954年、広島県生まれ。名古屋大学大学院教育学研究科博士前期課程修了。保育・幼児教育制度、保育実践の理論的・構造的研究に取り組む。博士後期課程在学中に山梨大学教育学部に着任、以降2018年まで在職、現在山梨大学名誉教授。2018年~2021年、東京家政大学子ども学部教授。おもな著書に『しあわせのものさし』(ひとなる書房、1999年)、『対話的保育カリキュラム〈上・下〉実践の展開』(同、2008年、2010年日本保育学会保育学文献賞受賞)、『記録を書く人 書けない人――楽しくかけて保育が変わるシナリオ型保育実践記録』(同、2014年)『子どもとつくる保育年齢別シリーズ(0~5歳児保育)』(監修、同、2011~2016年)『保育・幼児教育の戦後改革』(同、2021年)『保育の中の子どもの声』(同、2023年)他多数。

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