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ジャンル:

保育の理論・研究

学び手はいかにアイデンティティを構築していくか

保幼小におけるアセスメント実践「学びの物語」【原題】Learning Stories: Constructing Learner Identities in Early Education

これからの保育の方向を
力強く示した1冊

  • 発行日

    2020年6月

  • ISBN

    978-4-89464-271-3

  • 判型

    A5判

  • ページ数

    264ページ+口絵カラー8ページ

  • 定価

    3080円(本体2800円+税)

内容

未知の世界と格闘しながら、自らのアイデンティティを構築していく子どもたちの旅路を、学び手・親とともに綴り、次の一歩を励ます「学びの物語」について、実践にもとづき理論化し、これからの目指していきたい保育の方向を力強く描き出します。
前作の『子どもの学びをアセスメントする』はこちらから。

目次

日本の読者の皆様へ
序と謝辞
訳出にあたって
第1章 学び手は乳幼児期から小学校にかけていかにアイデンティティを構築していくか――4つのテーマの導入
 1 行為主体性と対話
    「中間にある」学び
 2 場と場の境界をまたいでつながりをつくる
    家族の期待
    境界をまたぐ道具としてのアセスメント
 3 継続している学びをとらえ、何度もとらえ直す
 4 知識と学びの構えをわがものとする――徐々に複雑さを増す多様な方法を駆使して
  ① 家庭で身につけた知識を持ち出し応用する、あるいはもともと抱いていた関心を発展させる
  ② 自分の物語を他者に伝え、それについて対話する
  ③ 様々なモードや言葉で自分のアイディアを表現する
 5 知識と学びの構え
 6 本書の章立て
第2章 なぜ物語なのか?
 1 学びのためのアセスメント
 2 ナラティブ研究としてのアセスメント実践
    研究者としての実践者、ナラティブとしての研究
    研究することと物語ること
 3 「学びの物語」の革新的変化
 4 小括――物語ることで自らの学びの舵をとる
第3章 行為主体性と対話
 1 学び手の関心と専門性を認識する
 2 学びをともに綴る
 3 学び手による自己アセスメント
 4 小括――学び手・家族・実践者の間の相互主体的関係
第4章 場と場の境界をまたいでつながりをつくる
 1 子どもの学びについて家族とやりとりする
 2 保育・教育の場での学びとそれ以外の場での生活(や自己像)とをつなげる
    境界をまたぐ道具としてのポートフォリオを強化する① 実践者の自己紹介と子どものDVD記録を加える
    境界をまたぐ道具としてのポートフォリオを強化する② 家庭の言語を取り入れる
    境界をまたぐ道具としてのポートフォリオを強化する③ 物語に境界をまたぐ他の道具を加える
 3 保育・教育の場の外のより広いコミュニティとのつながりをつくる
 4 小括――一人ひとりが育みつつあるネットワークと多面性
第5章 継続している学びをとらえ、何度もとらえ直す
 1 学びのエピソードを意味的に結びつける「学びの物語」
 2 「学びの物語」やポートフォリオを使って、継続している学びを明確にとらえ、可視化する
    継続している学びを可視化する① 物語の中に見出すことによって
    継続している学びを可視化する② 学びを分析することによって
    継続している学びを可視化する③ 「学びの物語」において次の計画を考えることによって
    継続している学びを可視化する④ エピソードや写真を時系列順に並べてみることによって
    継続している学びを可視化する⑤ 「学びの物語」について学び手やそのグループと話し合うことによって
 3 小括――複雑さと見えにくさの中に息づく意味形成の営み
第6章 知識と学びの構えをわがものとする――徐々に複雑さを増す多様な方法を駆使して
 1 意味形成、概念化、表現の新しいモードと「学びの物語」
  ① 「学びの物語」の作成方法の変革
  ② 情報通信技術(ICT)を用いた子どもたちの学びの旅路をたどる
  ③ イメージベースで思考する価値を認め、励ます
 2 異なるモードや言葉がひらく学びの意味づけ直しの可能性
 3 小括――周囲の環境との関係の中で生まれ、共有される学び
第7章 アセスメントの概念を再構築する
 1 知識の蓄えと構えの蓄えの絡み合い
 2 4つのテーマ
 3 目標・関心・実践におけるバランス
 4 人間的な力あるいは発達の構造――その4つの次元
 5 アセスメント・デザインの4つの原理
 6 Eを追加する
訳者あとがき

著者の略歴

大宮勇雄(おおみやいさお)
仙台大学教授、福島大学名誉教授。コロナ危機への対応のあまりのひどさは、わが国の教育の根本的誤りを浮き彫りにしました。人生のはじまりこそ人間的であれ!

鈴木佐喜子(すずきさきこ)
元東洋大学教授。「保育評価」を研究テーマとしています。「学びの物語」は、私たちの「評価観」を問い直し、豊かに変える力を持っていると確信しています。

塩崎美穂(しおざき みほ)(第2章)
東洋英和女学院大学准教拶。NZ・イタリア・日本の保育思想比較が当面の課題。他文化を生きる人々の思考や息づかいに触れる翻訳は、新しい「私」の発見でした。

川田学(かわた まなぶ)(第3章)
北海道大学子ども発達臨床研究センター准教授。原書のイラストフルな装丁に誘われたのが運の尽き(?)。深くて広~いLearning Storiesの世界にしみじみ、すみずみ鍛えられました。

菊地知子(きくち ともこ)(第4章)
お茶の水女子大学いずみナーサリー主任保育士。小さな学内保育施設で0・1・2歳の人たちがいつもすぐ隣りにいることで、活きのいい思索ができる気がしています。

矢萩恭子(やはぎ きょうこ)(第4章)
和洋女子大学教授。NZ発祥のプレイセンターに惹かれ、保育者の専門性を子育て支援分野から考えてきました。ISと対話を通じて、子ども自身が豊かな意味を拓く可能性へ!

磯部裕子(いそべ ひろこ)(第5章)
宮城学院女子大学教授。震災、コロナ感染…..・どんな困難の中にあっても子どもと生き、学び続ける保育者の“凄さ”とそこに生成する物語を問い続けています。

松井剛太(まつい ごうた)(著者について・第6章)
香川大学教育学部准教授。日本のこども園でLearning Storyの実装研発をしています。 切り口によって見ぇ方が変わるアセスメント実装をより多くの実暖者と楽しみたいです。

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