人なる書房イラスト スプラッシュ時のワード

先生、ボクたちのこときらいになったからいなくなっちゃったの?

子ども不在の保育行政に立ち向かう

子どもの権利か、市場化か

  • 発行日

    2017年8月

  • ISBN

    978-4-89464-250-8

  • 判型

    A5判

  • ページ数

    128ページ

  • 定価

    1430円(本体1300円+税)

内容

京都のまちの真ん中で、豊かな実践を積み重ねてきた京都市立病院の院内保育所「青いとり保育園」。委託先事業者の変更にともない保育は一変。全国で保育の市場化が進む中、問答無用で職場と子どもとの絆を奪われた保育者たちは、法廷で何を訴えたのか。

目次

はじめに
第Ⅰ部 みんなの青いとり保育園
 第1章 私たちの青いとり保育園
 第2章 青いとり保育園の保育
   1 一人ひとりの子ども・保護者に寄り添うこと
   2 年長でのなわとびを楽しみにしていたUちゃん
   3 お絵描きが好きだったRちゃん
   4 愛する子どもたちから引き離された保育者の思い
第Ⅱ部 裁判での闘い
 第1章 青いとり保育園の裁判の概要
   1 はじめに
   2 青いとり保育園とは─ 院内保育所の特殊性
   3 転機─ 外部委託の開始、4年ごとの委託先選定
   4 事件─ 委託先の変更に伴い原告らが排除される
   5 裁判─ 二度と同様の事態を繰り返させないために
 第2章 意見書
  第1節 子どもの最善の利益を保障する保育とはどんなものか
   1 子どもへの関わりの本質的2側面─養護と教育
   2 乳幼児期の発達の道筋とそれを支える保育のあり方
   3 保育の安定性・継続性の大切さ
   4 子どもへの適切な関わりおよび保育者の責任感は、継続的雇用を前提とする
   5 京都市営保育所の民間移管で保育の継続性はどのように考えられているか
   6 市立病院によるアート社選定、および引継ぎの仕方への疑問
   7 市営保育所の民間移管で生じた問題
   8 保育者の経験の重要性
   9 第1節の小括
  第2節 「保育の質」についての先行研究の知見
   1 「保育の質」とは何か
   2 プロセスの質とは何か
   3 第2節の小括
  第3節 アート社の保育において何が起こっているか
   1 保護者有志によるアンケート
   2 保護者、保育士への聞き取り調査
   3 第3節の小括
  第4節 結論
第Ⅲ部 不当判決を乗り越えて
 第1章 保育士の一斉交代から子どもを守る法的ルールの必要性
   1 京都地裁判決の問題点
   2 子どもが継続的に保育を受けることは法的に保護されなければならない
   3 保育所保育指針の規範性と保育所の民営化
   4 院内保育所、事業所内保育などの外部委託に対する規制の必要性
   5 最後に
 第2章 今回の事件によって明らかになった日本の保育問題
   1 保育の市場化の危険性
   2 公立保育所の民営化の問題
   3 保育の質を守るために
おわりに

著者の略歴

大倉得史(おおくらとくし)
編著者。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。京都大学博士(人間・環境学)。専門は発達心理学、保育学、法心理学。臨床心理 士。主な著書に『育てる者への発達心理学』(ナカニシヤ出版)、『「語り合い」のアイデンティティ心理学』(京都大学学術出版会)、『子どもとむかいあう 教育・保育実践の記述、省察、対話』(共著、Ratik)など。

藤井豊(ふじいゆたか)
弁護士。「青いとり保育園一斉解雇事件」裁判弁護団。京都第一法律事務所、京都弁護士会、2008年登録。弁護士として、また1人の保護 者として、京都の保育問題、保育運動に取り組む。保護者・保護者会からの相談や学習会の依頼も受け付けている。

「青いとり保育園一斉解雇事件」裁判原告一同
加味根とも子(かみねともこ)・北垣光代(きたがきみつよ)・中組留美子(なかくみるみこ)・服部千惠子(はっとりちえこ)・山田ゆう子(やまだゆうこ)・横山睦子(よこやまむつこ)(元保育者:50音順)

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