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保育現場に日の丸・君が代は必要か?

著・編: 中西新太郎

違和感を出発点に
大切なことを考える

  • 発行日

    2017年6月

  • ISBN

    978-4-89464-244-7

  • 判型

    A5判

  • ページ数

    64ページ

  • 定価

    770円(本体700円+税)

内容

3つの「要領・指針」に共通に盛り込まれた「国旗・国歌」規定。保育者に広がる戸惑いと違和感を出発点に、「子どもは社会をつくる主人公」の視点から、みんなで考えあうためのブックレット。

目次

はじめに─違和感を出発点に考える
1 保育の場で君が代を歌わなければならないの?
 新しい要領・指針に盛りこまれた「国旗」と「国歌」
 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の「社会性」の小項目にも
 とまどいの声に政府はどう答えている?
2 日の丸・君が代をめぐって学校現場で起きたこと
 日の丸・君が代を踏み絵に
 国旗・国歌法の成立
 自由が狭められる息苦しい社会へ
3 国旗や国歌のはたらきってなんだろう?
 「国民」というまとまりを必要とする近代国家
 国民というまとまりをどうすれば実感させられるか?
 国旗・国歌は国民をひとつにさせる代表シンボル
 国民を一つにさせるシンボルは必要?
 天皇中心の国であることを表していた日の丸・君が代
 あの童謡や民謡も
 「国民が主人公」を大元においた国旗・国歌か?
 少しちがう目で国旗・国歌の使い方を考えてみよう
4 幼児が育つ場で日の丸を掲げ、君が代を歌わせるのはどんな教育だろうか?
 あれって洗脳っぽくない?
 洗脳型教育の二つの危険─①考えることを奪われる
 洗脳型教育の二つの危険─②国や社会が危険な方向に向かっていく
 社会的に容認できないこととは?
 日の丸・君が代の強制も民主主義を否定するもの
5 幼児が育つ場としてふさわしい環境とは何かという視点から考えてみる
 「強制はしない」というけれど
 環境には逃げ場がない
 「親しむ環境」はいくらでも拡大解釈が可能
 伝統だから受けつがせることが大切?
 保育現場で積み重ねられてきた「伝統文化に親しむ実践」とのちがい
 君が代をミュージカル仕立てにしてみたら
 子どもの成長に欠かせない抜け道・隙間がなくなる
6 国はなぜいま日の丸・君が代を保育現場に持ちこもうとしているのか
 自国中心主義を現場に持ちこもうとしている
 国が子どもの育ちをコントロールするしくみづくり
おわりに─保育の場で譲ってはならないこと

著者の略歴

中西新太郎(なかにししんたろう)
1948年生まれ。横浜市立大学名營教授。専攻は社会哲学、現代日本社会論。主な著書に、「情報消費型社会と知の構造』(旬報社、1998年)、「<生きづらさ)の時代の保育哲学』(ひとなる書房、2009年)、『シャカイ系の想像力』(岩波書店、2011年)、「「問題」としての青少年』(大月書店、2012年)、『人が人のなかで生きてゆくこと』(はるか書房、2015年)。共編著に、『平等主義が福祉をすくう』(青木書店、2005年)、『ノンエリート青年の社会空間』(大月書店、2009年)、他多数。

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